プロフィール
氏名: O・Dさん(42歳)
前職: 国家公務員(13年間勤務)
現職: ITエンジニア(7年目)/大手SIer企業にて官公庁向けプロジェクトマネージャー
Q1:国家公務員から転職を考えたきっかけは?
中央省庁の一般職として、いくつかの部署を経験しました。主に文書作成や予算調整、会議運営、関係機関とのやりとりなど、裏方として行政の円滑な運営を支える仕事です。
やりがいはありましたが、年次が上がるほど残業も増え、帰宅がいつも終電近く。気づけば子どもとまともに会話する時間すらない日々が続いていました。
そんな中で、自分の仕事が本当に社会に届いているのか、変化の少ない組織の中でこれから何を積み重ねていくのか、将来が見えづらくなっていったんです。
業務の中でたびたび関わるITベンダーの人たちを見て、「制度に縛られるよりも、それを支える“仕組み”をつくる側になれたら、自分の力をもっと活かせるんじゃないか」と思ったのが、転職を意識した最初のきっかけでした。
Q2:キャリアチェンジに不安はありませんでしたか?
実を言うと、不安はあまりありませんでした。というのも、公務員として長年働いてきた中で、「相手の要望を整理する力」や「関係者と根気強く調整を重ねる力」など、民間でも通用するスキルが自然と身についていたからです。
もちろん技術面はゼロからのスタートでしたが、「必要なものは自分で学べばいい」という気持ちの方が強かったですね。当時は、今のように公務員からエンジニアを目指す人を支援するサービスはまだ少なく、TechVillageの存在もまだ知られていませんでした。
もし当時からああいったサービスがあれば、きっと迷わず頼っていたと思います。
Q3:現在はどのような業務に携わっていますか?
今は大手SIerに所属し、官公庁向けのシステム開発案件でプロジェクトマネージャーを担当しています。
要件整理から設計、チームの進捗管理、関係者との調整まで、プロジェクト全体の流れを管理する仕事です。
公務員時代に行政業務の流れを実務として経験していたおかげで、「役所の現場が何に困っているか」「どんな提案だと通りやすいか」が感覚的にわかるのは大きな強みです。
民間のエンジニアには見えづらい視点を持っていると言ってもらえることもあります。
Q4:公務員時代の経験は、エンジニアとしてどのように活きていますか?
一言で言うと、「翻訳者」的な立場で貢献できていると感じます。
技術者がつくる仕様書と、行政側の要望の“ズレ”を言語化してつなぐ役割です。制度の背景や、行政独自の決裁プロセス、書類文化などに通じているからこそ、スムーズに調整できる場面は多いです。
また、長年の文書作成経験や、根回し・段取りのスキルは今のマネジメント業務でも大いに役立っていますね。特に官公庁案件は丁寧さや信頼感が重視されるので、前職の経験がそのまま武器になっています。
Q5:収入や働き方、生活の変化について教えてください。
収入面は明らかに上がりました。公務員時代は年功序列でしたが、今は成果や責任の重さに応じて評価されるので、やりがいと収入がしっかりリンクしています。
一番大きく変わったのは「時間の使い方」です。現在は週の半分以上をリモートで勤務していて、子どもと一緒に夕食をとる日が当たり前になりました。
公務員時代は家庭より仕事を優先する毎日で、振り返ると「自分は何のために働いていたんだろう」と思うこともあります。
今は、自分の裁量で働き方を選べる分、家族と過ごす時間も大切にできています。生活の質は本当に上がりました。
Q6:公務員からエンジニア転職を目指されている方へメッセージをお願いします。
「今さら転職なんて」「技術なんて自分には無理」と思う方もいるかもしれません。でも、公務員として働いてきた中で培った力は、民間でも通用するどころか、むしろ重宝される場面が多いです。
僕自身、40代を目前にしてのキャリアチェンジでしたが、まったく遅いとは感じませんでした。むしろ人生の後半戦を見据えて、専門性を持って自分らしく働ける今の環境の方が、よほど“安定”しています。そして、今は当時と違って、TechVillageのように「公務員からのキャリアチェンジ」に特化した支援サービスもあります。もし今スタート地点に戻れるなら、間違いなく利用していたと思います。
一歩を踏み出すことさえできれば、そこからの道は意外と拓けていくものです。
編集後記
O・Dさんのキャリアは、「仕組みに従う側」から「仕組みを支える側」への大きな転換でした。
一般職として制度を下支えしてきた経験を、今度はシステムという“カタチ”に変える立場で活かしている。その姿からは、転職という選択が「過去を捨てる」ものではなく、「過去を活かす」ものだということが伝わってきます。安定の中で感じた違和感。
それを見て見ぬふりをせず、自分と向き合ったO・Dさんの決断は、これからの時代を生きる多くの公務員にとって、ヒントになるのではないでしょうか。
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