プロフィール
- 氏名:Y・Sさん(30歳)
- 前職:市役所職員(税務課ほか 7年)
- 現職:業務システム開発会社 バックエンドエンジニア(2年目)
Q1 市役所からの転職を考えたのはどんなきっかけでしたか
きっかけは休職でした。税務課に異動して2年目の春、繁忙期が明けたころに体が動かなくなって、医師に勧められて病気休暇を取りました。結局、休職も含めて4か月ほど仕事を離れました。
休んでいる間、最初は「早く戻らなきゃ」としか考えられませんでした。でも少し落ち着いてきたころ、戻った後の自分を想像してみたんです。また数年で異動して、新しい業務を一から覚えて、繁忙期を乗り切る。それをあと30年続ける自分が、どうしても思い描けませんでした。
仕事そのものが嫌いだったわけではありません。税の仕組みを住民の方に説明して、「わかった、ありがとう」と言ってもらえるのはうれしかった。ただ、自分の力で何かが積み上がっている感覚がなかったんです。
Q2 数ある職種の中で、なぜITエンジニアを選んだのですか
休職中に、働き方そのものを調べ始めたのが最初です。リモートワークができる仕事を探していくと、ITエンジニアにたどり着きました。
決め手になったのは、税務課での経験でした。課税のシステムに不具合があって、手作業で何百件も確認し直したことがあったんです。そのとき、ベンダーのエンジニアの方が原因を調べて直していく様子を見て、「仕組みを直せる側にいたら、現場はこんなに楽になるのか」と感じたのを思い出しました。
スキルが積み上がって、それが評価や働き方の選択肢につながる。自分が休職して失ったものを、取り戻せる仕事だと思いました。
Q3 休職を経験してからの転職活動に、不安はありませんでしたか
不安しかありませんでした。体調は戻ってきていたものの、「休職したことは不利になるんじゃないか」「そもそも文系の自分がエンジニアになれるのか」と、ずっと考えていました。
TechVillageのカウンセリングで、まず言われたのが「体調を最優先にして、学習のペースは一緒に決めましょう」という言葉でした。復職してから、無理のない範囲で学習を始めることにしました。平日は1時間、休日に3時間ほどです。
Q4 現在はどんな仕事をしていますか
自治体や企業向けの業務システムを開発する会社で、バックエンドエンジニアをしています。最近は、申請の受付から審査までを管理するシステムの改修を担当しました。
市役所での経験は、思っていた以上に役に立っています。申請書の項目がなぜその順番なのか、審査する職員がどこで手間取るのか、現場の感覚がわかるので、仕様の打ち合わせで「この入力は窓口で困ると思います」と意見を出せるんです。
働き方も大きく変わりました。週4日はリモートで、通勤の時間がなくなった分、体調を整える時間を取れるようになりました。休職する前の自分に、こういう働き方があると教えてあげたいです。
Q5 休職を経験している公務員の方へメッセージをお願いします
まずは、休むことを優先してください。私も最初は焦って、休職中に転職のことばかり考えて、かえって疲れてしまった時期がありました。体調が戻ってから動いても、遅すぎることはありません。
そのうえで伝えたいのは、休職は「終わり」ではなく、働き方を選び直すきっかけになるということです。公務員として働いてきた経験は、民間でもきちんと評価されます。一人で考え込まずに、まずは話を聞いてもらうところから始めてみてください。
休職をむしろ何かを始めるきっかけにもなると、プラスに捉えるのも私はアリだと思います。
編集後記
Y・Sさんのお話で印象に残ったのは、「休職して初めて、自分の働き方を選んでいいと思えた」という言葉です。休職を経験した方の多くが、復職するか、辞めるかの二択で悩みます。Y・Sさんは、まず体調を整え、復職してから無理のないペースで準備を進めるという、もう一つの道を選びました。
公務員の休職制度や、休職中・休職後の転職の考え方については、公務員の休職制度とは?病気休暇と休職の期間・給与・傷病手当金と公務員が休職中に転職を考えるときに知っておきたいことで詳しく紹介しています。
TechVillageでは、休職を経験した方を含め、公務員からITエンジニアへの転職について無料カウンセリングを行っています。転職するかどうか決めていない段階の方も、まずは今の状況をお聞かせください。

